『巻頭言』 (これは極最近のお写真です) 会長 高橋 義幸
ユースホステル運動の根本にはヒューマニズムが底流している。テクノロジーの発達は、マスコミ、マスプロを助長し、大衆の生活意識を大きく変える。我々は次第に画一化され、受動化されてきている。それら人間疎外へのささやかな抵抗としてニセリズムが頭をもたげる。その虚無的行動の中に人間性を見出そうとするのである。我々は野山を愛し、旅を好み、一時的に世俗から離れたい、また現実の硬化した巨大な組織の中から抜け出たいと、逃避的境地に彷徨う。しかし、それにおぼれていたのでは、あまりにも消極的である。もっと積極的でなければならない。
ユースホステル運動を考えてみると、非常に曖昧なものの様に思われる、しかしこれを悲観的に受けとめてはいけない。画一化、受動化されつつある我々は、こんな活動に、自主的、能動的になれうる、チャンスがあるのではないだろうか。 我々は若者らしく、自主的に能動的に試行錯誤を重ねて、この運動の本質を見極めてゆかなければならない。そして後続に伝うる任務を負わされている。 太平な世の中が続く限り、レジャーブームは続くだろう。そんな中でこの運動は大きく膨張していくに違いない。しかしブームに翻弄されていたのでは久続性はもたない。この運動の息を長くするためにも我々ホステラーは、常に自主的に能動的に運動を形成してゆかなければならない。それでこそ真の人間性を見出し、育んでゆけるものと信ずる。そして、それは、個人的なものに滞まることなく全人的ヒューマニズムでなければならないと思う。 (ヒューマニスト高橋さんがここにいました。ビックリ!!) 『グループ員夜話』
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