日本リフレッシュ研究所
発想の転換その6
錦鯉専門誌「鱗光」2005年2月号掲載

 
エアレーションは?

飼育池と展示池とでは違います。曝気について
   良く見てください。下記のような細いビニールパイプが高いところから、池の真ん中にぶら下がり、池の深さの中間あたりで、ぶくぶくしています。エアレーションということですが、これは何のためにと疑問に思ったことがあります。
 あくまでも展示池または水槽で、ポンプを回していないときに、一時的にエアレーションをしているわけです。この池は、飼育兼展示池だと思いますが、エアレーションというよりは、しいて言えば池の表面を動かしているだけのようです。
  ましてポンプの吸い込みの悪い場合には、これでは、かえって池水をかき回しているようで安定せず、何時までも池の汚れ物を濾過槽にもって行かないようにしているようです。この向こうに大きな沈殿槽がありましたが、なんの役目も果していず、これでは池水は澄むはずがありません。
 
  下の写真は上手なエアレーションをしている例です。池の表面も美しく、自然なエアレーションと澄んだ水、ゆったりとした錦鯉の動きを確認できます。このようにメインポンプとは別に、もうひとつのポンプでエアレーションする方法と、水の力によってエアレーションする方法との二種類あることが分かりますか。これは、排水や上水抜き・配管の方法にもよるのですが、ヒントとして、池の上部・中部・下部で池水を動かす方法の違いによって変わってきます。
 また、一台のメインポンプによって、池水を動かし、エアーも吸い込むようにする
独自の方法があります。配管と同時にメインパイプの途中に組み込むようにセットします。また、錦鯉をゆっくり見たいときには、池水を動かしながら池の表面の波を止めることが出来ます。
   
  曝気という高いところから、水を落としてエアレーションをするという方法もありましたが、夏場ならともかく、大変大きな音のするものでした。
   曝気について
 誰も彼も、先を競って曝気塔を作った時代がありました。そのころは、錦鯉も最高のブーム、日本経済も高度成長の波に乗って活き活きとしておりました。池にそびえ立つ曝気塔は、錦鯉とその人の経済力を称えるにふさわしい偉容を放っていました。その後、あまり曝気塔の建設が目立たなくなった理由は、日本経済と平行しているのでしょうか。
 当時、日本は急成長の歪みとして公害が問題視されるようになり、その一つに工業排水をクリーンにすることがクローズアップされつつありました。その水処理技術の中に曝気塔があり、早速それを水処理に応用したわけです。曝気することで、水中の○○イオンを除去できるから、それが色上がりに寄与すると信じたのです。今でも、曝気塔の無い池は本格的な「錦鯉の池ではない」と思っている人もいるようですが。結論からすれば、曝気塔がなくても十分な仕上げをしている人がいます。ただし、元水がクセのある地下水の場合など効果があると思います。しかし、一般的には、わざわざ曝気塔を建てなくても、新しい曝気の方法もあり、絶対必要な条件とは考えません。むしろ、曝気塔に象徴されるような工業排水の処理技術で「
錦鯉が仕上がる」と信じることは迷信だと思います。
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