「おぼっこ」五周年記念特集号(昭和41年10月20日発行)復刻版






岩大グループの諸君へ                    
県協会会長 小野寺耕作


 ユースホステル岩手県協会が誕生してから早五ケ年という歳月が流れたわけだ。
昨年は東北ブロックラリーを当番県として盛会裡にやってのけたし、三人同志の発意でユースホステル運動のPRを始めた九年前のことを考えると、ほんとうに今昔の思いでいっぱいだ。
 日本の歴史の大変革と同時に社会の様想も一変し、敗戦からの色々な変動は青少年問題という国家の課題となる事態が生れたのである。政府は施策として青少年を自然の恵みにふれしめ、野外活動により健全な心身を育てるようにとの意図から、ユースホステル運動をとりあげたのであった。昭和廿三年文部省主催による野外活動中央指導者講習会に派遣され、始めて、この運動を知ったわけで「駅舎活動」と無理した呼び名をつけて趣旨、方法、組織、技術等を指導されたわけで、今のユースホステル運動の第一歩だったわけである。
 われわれ同志数人は県内世話役をかって出たようなわけで、本部登録の県内会員を調査し其の名簿を作り、そのメンバーで協会設立準備委員会を構成し会員募集に乗り出したのであった。会員数十五名が本協会の基盤であった。それが現在千名を越える会員を有し協会の組織機構も一応ととのい、東北ブロック中でも上位に列する程の伸展ぶりは何んと言っても県内各機関を始め会員諸君の本運動の使命を自覚し、ホステラーの本道が世人に理解され単なる安宿運動ではなく、社会教育、社会体育の一面を果している実績がもたらしたものと確信してやみません。特に、ここ三、四年前から各地区各職域等にグループの結成を見たことが躍進の大きな力となっていると思う。
 特に若い岩大グループの同志諸君は、ほんとうにホステラーとして正常な運動をしていることは衆目の認めるところです。若い学生の集団であり野外活動を通じて心身の鍛練と、自然愛好の精神で結ばれた友情と奉仕の美しい生活態度は学業の余暇を善用する岩大グループの特徴であり、組織、運営等ほんとうにシルマン精神の実践グループと言って過言ではないと思います。緻密な計画、協同の実践力には感服の外ありません。リーダーは次リーダーを養成し、同志を絶やすことなく実践により啓蒙をし益々岩大グループの発展を祈念してやみません。これが拡大されることが当協会の発展につながっていることの実証が、今日まで活躍、奉仕により明らかなことであります。
 創立五周年記念を迎えたことを期し諸君の自重自愛益々発展さるよう期待し、今日までの御協力に感謝を捧げる次第です。
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