「おぼっこ」五周年記念特集号(昭和41年10月20日発行)復刻版






ペアレントとして思うこと


県ペアレント協議会々長
八幡平YHペアレント 斉藤敬二郎


 五周年を迎え、益々ユースホステル活動を理解されご健闘されている岩大YHグループの皆さんご苦労さんです。「おぼっこ特集号」の発刊を心からおよろこび申上げると共にこれからのご発展を期待しペアレント協議会の一員として、今後一層のご協力を約束することを誓います。
 私が八幡平のペアレントを命ぜられてから、満二年やっと二年生に進級ということになりますが、当時ユースホステルとは何を目的としているのか、ペアレントとはどんな役割なのか、全く私自身過去の歩んだ二年間を反省すると冷汗することばかりです。然しどうやら今回まで曲りなりにも努力した結果が認められたのか、全国各地から訪れるホステラーが年々増加し現在の施設ではついて行けず、やっと念願の増築が決り今秋からたくさんの方々に利用していただくことになりました。これも皆さんのご協力によるものと深く感謝の意を表します。
 YH運動については、協会常任理事の金田一先生が第四号誌上に詳しく説明され、明日の世代を担う青少年を対象として世界の平和を築くことにありと、目的を明瞭に解かれている。JYHの指導者、中山会長、横山理事長もユースホステルの理念について、世界の平和を力説されている。私も不勉強であるが、結論は同感である。

 私の青年時代は満州事変、支那事変、大東亜戦争と十二年間戦塵によごされた過去の体験が悪夢のように脳裡をかすめる。戦い破れて、再び故国に帰り岩手山麓に、新天地を求め、開拓者として、天地と共に生き、そして、明るい希望に胸はずませ明日への前進を誓う若人たちの世話役として、共に生きる歓びを得た私は幸福感に満たされている。然しこの重大な役割を、今後いかに進展させ若い人たちとの理想を求め利用者の増大を図るかが、私達ペアレントに課せられた真の仕事であると信じたい。
 「世界は永久に平和であってほしい」世界の人々が望んでいる素晴らしい言葉であるが、現にベトナム人同志が血を流している。一歩誤れば再び世界戦争の危険を多分にはらんでいる。過去幾百年、幾千年と続けられた人間対人間の争い、現在も将来も地球に生存する生物が滅亡するまで、私の現在於かれている立場、ペアレント仲間は、友愛の輪、人類平和の輪をこれからも燃やし続け、若人の期待を裏切ることのないようユースホステル精神に情熱を、体力の続く限り燃やし続けたい。
 「八幡平のペアさん大きな夢を」と一笑されることと思う。「精神鑑定の必要性認めます」ナンテことになりますネ。しかしそこは大丈夫と確信する次第、私たちの夢を希望を、素直に認め協力して下さる岩大グループの心強い皆さんに大きな期待を持っているからです。 後から後から続く十代二十代の新入会員の為指導される皆さんに心から感謝の意を表し、今後のご健斗を祈ります。

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