「おぼっこ」五周年記念特集号(昭和41年10月20日発行)復刻版






「今考えていること」
秋大YHG 八木喜久男

 グループ誕生五周年、心より御祝い申し上げます。
一口に五年といっても種々様々の苦難があったと思います。野外活動の一分野であるユースホステル運動を通じて結ばれてもう三年を経過しようとしています。昭和三十八年度の雨中の駒ケ岳交歓会、そして昨年の百名有余の大交歓会と規模は年々拡大しつつあります。今年は秋田が当番校で、もっと目的を同じうするグループあるいはホステラーをも仲間に誘って第一回東北学生ラリーを男鹿半島で開催したく準備中です。親睦・交流・交換・討論を通じて、この運動がよりよい発展と健全なる青少年運動であることを社会に広く宣伝したく思いますし、我々ホステラーの胸にも決意を新たに自覚していきたいと考えてます。そしてそれが発展向上して東北地区の大学連盟設立までもっていければ最高だと考えます。それ故どうしても成功させたく、張切ってますが、それにもましてグループ員、ホステラー皆様方の暖い協力をせつにお願い致します。
 皆さん御存知のように我々の住んでいる東北は山、海、湖と自然の恩恵に十分すぎるほど恵まれていますし、俗化されておりません。逆から考えればそれだけ発展してないということにもなるでし ようが…。この自然を黙って見逃すテはありません。又昨今の若者は試験に追いまくられ、スケールの小さい利己的な人間になりつつあり、かつ自然を楽しむことのない人間が増加しています。自然を友とし父として、学校の勉強では学べない事柄を大自然のふところに抱かれて、眼から耳から学ぼうとするところにこの運動の必要性が生じてくるものであると私は考えます。自分の郷土を知り、東北、日本、そして世界へと我々の夢は果てしなく広がっていきます。夢や理想だけで終らせることなく実現に向って努力したいものです。
 山はまだ白いヴェールに包まれていますが、市内の千秋公園にはコブシの花が咲き、桜のつぼみも赤く色づき、もうすぐ美しい花を咲かせることでしよう。春の遅いみちのくにもようやく春が訪づれようとしています。それとともに我々のホステリング活動もいよいよ軌道に乗り、発展していくことでしょう。今後ともよろしく御指導、御援助を御願い致します。
S41・4・21記
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